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           思い出美術展★ 

 
 このコーナーでは、会期終了後にいただいた展覧会の投稿記事を
   ご紹介いたします。

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プーシキン美術館展

ビッグイベントって詰め込みすぎじゃない?

 かねてより混雑が酷いと聞いていた上に、最終週という最悪なタイミングで訪れる自分が悪いのですが、本当にものすごーく混んでました…。午前中に入館したのですが、その時点で「快適に鑑賞」とはいかないほどの混みようでした。

 一定以上人が入っている展覧会では、その人口密度によって自然と人々が足を進めるペースが作られるようです。つまり、人が入れば入るほど、順路を進む流れが速くなってしまうのです。これに上手くのれずに他の鑑賞者の方々より長く画の前で立ち止まってしまうらしい私は、何度も「すみません、ちょっと前通りますね」という雰囲気で目礼され、申し訳ないような気分でした。

 でも、自分が「もういいかな、次の作品に移動しようかな」と思うまで観ないと美術館に足を運んだ意味がないような気がしてしまうんですね。混雑する美術展に行ったときにいつも悩むところです。

 さて、肝心の展示作品の感想ですが、作品数に対して自分好みの作品に出会う確率が低かったことと、とにかく点数が多かったためにあまり印象に残りませんでした。私の場合、評判の高いビッグイベントに出かけると出展点数が多すぎると思うことが多いのですが、今回の『プーシキン美術館展』では特に強く感じました。印象派作品ばかりこんなにに詰め込まれても、途中で頭の中が「フィルム切れ」になってしまって残せないなぁと、順路途中ですでに思い始めたくらいです。

 もともと特別「印象派が好き!」というわけではなく、むしろ「マティスが好き!」でこの美術展に出かけたので、マティスが2点しかなかったのはちょっと淋しくもありましたが、目玉でもある『金魚』は充分に楽しめました。『もぎたて!』の読者の皆さんにはあまり評判がよくなかった感もあるこの作品ですが、私はこれを観られて満足でした。あの大きな画の前に立つと、思わずにっこりさせられるような単純な説得力があり、そこが好きだったりします。

 もぎたて投稿No.179で東京都のN.Kさんが「ちょっと間の抜けた、ポカンとした金魚達」と書いていらっしゃいましたが、むしろそこが愛らしくて「そうそう、金魚ってこういう感じ!」と共感してしまったのです。今回の『金魚』を観て、N.Kさんが言及なさっていた04年の『マティス展』に出展されていた金
魚鉢のある静物画を私もまた思い出しました。2つの画は、同じものを扱っていながら全く違った印象を持っていますね。金魚鉢のある室内の画は、静かで密やかな空気を漂わせていますし、今回の『金魚』は金魚そのものの生命感が強烈で楽しく、私はどちらも気に入りました。

 マティス以外には、それほど強い印象を残した作品はありませんでしたが、窓から巨人の顔が覗く版画(確かルドン作と記憶)、グリーン系にまとめられた王女様の画(ピカソ作)あたりがよかったです。あとは、「ドガの踊り子ってけっこう無理なポーズしてるなあ」とか「舞踏会の画は色使いがよくて目を惹くけど、よーく観ると何か描いて消した痕があるなあ、それにセンターの男女はどっちが前にいるのか、重なり方がおかしくないか?」など、変なことばかり気になりました。

 今回の鑑賞では、作品以外のところで気づいたこと、気になったこともいろいろとありました。特に気がかりだったのは、とても人が入っていたわりには、若い人があまりいなかったことです。行ってみて初めて気がついたのですが、学生の入場鑑賞料が1,200円。来ている作品の量と質は確かに素晴らしいのかもしれませんが、やはり高すぎるのではないかと思われてなりません。美術展ってハイソな人たちだけの楽しみなのかしら。そうだとすれば残念です。(I.Mさん)

(せ)私はむしろ、料金1200円も払って油彩画50数点って少なすぎないか? これで観客は満足するんだろうか? と思っていたので、「詰め込みすぎ」というご意見は新鮮でした。I.Mさんはきっと一点豪華主義の通な見方をする方なんですね。私もピカソの女王様、初期のキュビスムのカンジが面白いと思いました。ピカソは《アルルカンとサルタンバンク》もよかったですね。

ニューヨーク・バークコレクション

蕭白の《石橋図》、まるで漫画のようでした

 ニューヨーク・バークコレクション、結局ウィークデイは行けず、3/4土曜日に行ってきました。

 土曜日の4時ごろ着いたら、入場制限していて、15分くらい待たされましたが、中はそれほどでもなかったです。とはいえ、時間がないので、私、縄文あたりはとばしました……。

 最初から狙って行ったせいもありますが、蕭白、やはり、よかったです。特に「石橋図」。これって漫画じゃん!! と思ってよく見たら、解説には「アニメに通じる……」とか書いてありました。でも、あの線はやはり、「漫
画」と言ってもらいたかたなあ……。

 岩壁の線なんかも、漫画のシュッシュッていう音を表す線みたいだったし。誰か、日本美術に漫画の源流を探る(または漫画の表現と日本美術の共通点を探る)展覧会(フランス、アメリカあたりを巡回)を企画する
ときには(すでにそういう展覧会って行われていそうですが)、ぜひ、この絵をメアリーから借りてもらいたいものです。展覧会のタイトルも考えたんですけど……。「漫画の系譜」(笑)。どうでしょう。

 もう一つの蕭白の作品や、若冲もおもしろかったし、絵巻物(百鬼野夜行絵巻や牛が出てくる絵巻物)も気に入りましたが、もう一点挙げるとすると、私は、「大麦図屏風」が印象に残りました。覚えてます? 麦の穂がパラパラとデザイン化されているやつ。

 あんな屏風絵もあったなんて驚きました。あの時代の普通の装飾模様? がとのようなものだったのかよく知らないので、もしかしたら、特に珍しいものではないのかもしれませんが、それにしても、あのデザイン、モダンだ……。リズムがあって、シンプルで……。いまや名前も残っていない職人の作品ということのようですが、時代を超越していますよね……。

 というわけで、けっこう楽しみましたが、やはり、蕭白とか若冲だったら一人の作品をまとめて見たいですよね……。複数の作家でも、テーマのある企画展ならいいですが、今回みたいな、コレクション展は、作家はバラ
バラだし、テーマもはっきりしないからその点イマイチ(そう考えると、本当は去年の春の京都の曽我蕭白展行くべきだったかな……)。

 それでも、「大麦図屏風」が見れたのは、コレクション展だからこそなので、いちがいに悪いとは言えませんが。

 木谷さんは、こうやっていろいろな展覧会に行って見た作品を御自分の頭の中で正しい位置に、カチっとはめていくのかな、なんてことを考えました。(東京都:N.Aさん)

(せ)「大麦図屏風」、よかったですねえ、私もあれ見て、「現代でも通じるじゃん!」と思いました。蕭白や若冲、確かにまとめて見たいですが、コレション展は、コレクターの好みや思い入れを色々考察しながら見ると面白い、と思いまっせ。そういう意味では、私はメアリーの日本美術に対する愛を十分感じることができました。


 



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